オキーフと乾いた午後

こころ吐露トロ日記

映画『PERFECT DAYS』の舞台が亀戸

里帰り出産から自宅に帰宅した長女と赤ん坊がいなくなって、次女と二人の暮らしに戻った。とはいえ、彼女は仕事はもちろん彼氏とのデートや友だちとのご飯、かけもちバイトに忙しく、あたしは仕事納め以来ほとんど一人の時間を過ごしている。

 

昨日は朝早くから役所広司の『PERFECT DAYS』を観に行った。前評判通りいい映画、というかあたしの好みだった、とても。なんたってあたしはヴィム・ヴェンダース監督が好きだし。そして役所広司もいい。役所広司はほんとにいい俳優だ。

映画の舞台は亀戸辺り。主人公の役所広司は、ごちゃごちゃしてる亀戸の路地にある文化住宅に住んでいる。仕事の往復に街を走る時、朝日に輝くスカイツリーや、さまざまにライトアップされた夕暮れのスカイツリーが遠くに近くに頻出する。主人公を演出する、カセットテープから流れる音楽や、寝る前に手にする文庫本があたしと同じテイストなのもすごくうれしくて、ヴェンダース監督に拍手したくなったよ。今年いちばんの映画かも。

 

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いやー、亀戸だからさ、あの辺りといえばアッシュ野郎だし。一度だけ亀戸のボロホテルに、アッシュ野郎と泊まったの思い出した。まだ付き合い始めの頃。10㎡くらいの部屋にちっこいベッドと汚いビニールのソファがあるだけの。そしてなぜかドアそばに電子レンジ。映画観ながらそんなこと思い出して、懐かしくも切なくなった。

 

映画には高速道路を走るシーンもたくさんあった。あたしは東京の道はよくわかんないけど、あーこんな道たくさんアッシュ野郎が運転してくれたんだろうなーって思ったよ。縦横無尽にそして安全運転でぶいぶい高速を走るアッシュ野郎がかっこよくて好きだったなー。車は仕事に使うバン。車の後方には仕事道具がそのまま積んであって、カーブを曲がるたび仕事道具ががらがら音がたてた。そんなことも思い出してしまった。

 

そんで昨日夜にLINEした。舞台が亀戸だったよって。返事は夜中になって、「今日は今年の飲み屋の締め廻りで、ごめん」って。まあそんなとこだろうと思ってたし、それでぜんぜん構わないんだけど、

朝になったら「昨日LINEした記憶ない💦」って言ってきた。あなおそろしや。どんだけ飲んでんだ?!この前γGPTが、、とかほざいてたくせに。と言うところだけど、無意識にLINEの返事書いてくれたんだーと思うとそれはそれでうれしい。アッシュ野郎は意識下にあたしを置いててくれてるのかって。笑。

 

存分な気持ちで赤ん坊に向けていた愛情が行き場を失って、こんなふうにアッシュ野郎を思い出しているのである。

そして今日も、家の中で本を持ち歩いていつつもページを開く気にはならない。日常に戻って10日、まだどっか空虚にイカれてる。